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Article: 好きな柄に出会うまでの道のり

好きな柄に出会うまでの道のり

好きな柄に出会うまでの道のり

回り道をしながら一枚の生地へ

柄をつくるとき、最初から形が決まっていなくてもいいと思います。色を変えたり柄を重ねたりしているうちに、思ってもいなかった柄に出会うこともある。CANVASには三つのつくり方があって、どこから始めてもかまいません。行き方は自由なまま、見つけた柄を一枚の生地として手にするところまでつながっています。

CANVASでつくった6種類の柄を並べた画像
CANVASでつくった柄の例

01CHAPTERその日のつくり方を選ぶ

つくり方は、スマートフォンのSLOTと、パソコンのLAYERにある二つの始め方。合わせて三つです。SLOTはボタンを押して柄を回し、出てきたものを見ながら選びます。LAYERでは、用意された柄を選んで色や大きさを変えるDISCOVERと、下の色に柄を重ねて一からつくるCREATEから始められます。

CANVAS LAYER の始め方を選ぶ画面(DISCOVER 柄から選ぶ/CREATE 重ねて作る)
パソコン版 LAYER の始め方を選ぶ画面

どれから始めてもかまいません。使うのがスマートフォンかパソコンか、その日の気分や、どこまでつくり込みたいかで選んでもらえたらと思います。LAYERの二つの始め方は、あとからいつでも切り替えられます。

CANVAS LAYER の DISCOVER(柄から選ぶ)の画面
DISCOVER で柄を選ぶ画面

気軽に試すことと、細かく考えることの、どちらからでも始められるようにしたいと思いました。スロットのように回して止める形にした理由や、LAYERのもとにある、色ごとに柄を刷り重ねていく考え方は、前の記事「CANVASのはじまり」に書きました。

02CHAPTER頂上までの道は自由でいい

僕はずっとデザインの仕事をしてきました。仕事で柄をつくるときは、目的と狙いがあって、そのゴールに向かって柄を描いていきます。山にたとえるなら、頂上を目指して、いい登り道を見つけながら、いかに最短で登れるかを考えるような進め方です。

CANVASでは、少し違うことを楽しんでもらいたいと思っています。CANVASにも、生地をつくるというゴールはあるかもしれません。でも、そこまでの道のりはすごく自由でいい。ぐねぐねと回り道をしたり、途中でジャンプしたり、行き方はいくらでもあります。

途中で思いがけない柄に出会ったり、自分の好きなものに気づいたりする。最初に思い描いていなかった柄にたどり着くこともあるはずです。その道のりそのものを、楽しんでもらえたらうれしいです。

CANVAS LAYER の CREATE で、下の色に柄を3つ重ねた画面
下の色に柄を3つ重ねた例

重ねる順番や線の太さで、下の柄の見え方は変わります。重ねたあとの見え方を、全部計算しておくのは難しいものです。つくる側の僕にも、操作して初めて分かることがあります。その発見が、使う人にも起きる場所にしたかったんです。

03CHAPTER柄が生まれる場所をつくる

デザインは、一つのものを完成させることだけではないと思っています。そこに至るまでのプロセスも、すごく大事です。CANVASでは、そのプロセスを掛け合わせたり組み合わせたりすることで、新しい価値観や新しいものが生まれる。そういう仕組みそのものを、デザインとしてつくれたらと思っています。

画面の中で使う柄や配色には、TRICOTÉで考えてきた色の組み合わせも入れています。何でもできる場所にするのではなく、用意された柄や色、重ね方の中で選び、試す。そうすることで、違う表情が生まれるようにしたいと考えました。

そして、アプリは一度完成したら終わりというものでもありません。柄や配色を加えたり、使う人の要望を聞いたりしながら、更新していけます。何を加えると、つくれるものが変わるのか。そういうことも考え続けたいと思っています。

キャンバスは、決まった大きさの一枚の面です。その限られた面の中で手を動かすと、何かが生まれてくる。CANVASという名前には、そんな場所にしたいという思いがあります。僕自身が全部をつくるのではなく、使う人が選び、試しながら、自分の好きなものを見つけていける場にしたいんです。

04CHAPTER最初の一枚はスパンローン

画面の中で柄を選び、重ね、思いがけない表情に出会う。そこで生まれた柄が生地になり、手元に届く。生地は、何かをつくるための材料であると同時に、次のアイデアを連れてくるものでもあります。布を手にしたとき、「これで何をつくろう」と考え始めるからです。

最初に用意した生地は、スパンローン一種類です。ポリエステル100%の薄く柔らかな生地に、つくった柄を昇華プリントでのせてお届けします。たくさんの選択肢を並べるよりも、まずは柄をつくり、生地として手にするところまでを、きちんと形にする。小さな一歩でも、実際に布を手にする経験があれば、ものづくりとの関わり方は少し変わるかもしれません。

工場のロールから離れていく、柄をプリントしたスパンローンの生地
工場でプリントしたスパンローン

僕がCANVASを通じて届けたいのは、柄をつくるための道具だけではありません。柄をつくる人の思いが、生地をつくる工場へとつながり、ひとつの布になって手元へ届く。そのあいだにある距離を縮めて、専門的なものづくりから少し遠く感じていた人にも、触れられる入口をつくりたいと思っています。

CANVASのページから柄をつくり、そのまま生地を注文できます。生地は幅約112cmで、1m単位・5mから。画面と生地の色の違いや手ざわりを確かめられる生地見本もあります。次に増やす生地は、Instagramで皆さんの声を聞きながら決めていきます。

生地をつくるというゴールまで、どんな道を通ってもかまいません。回り道の途中で見つけた柄が、一枚の生地になって手元に届く。そんな体験を、CANVASで届けていきたいと思っています。

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古い缶に差したドライバー、ペンチ、ハンマーなどの道具の寄り。奥には、糸をかけた丸い編み機がぼやけて並んでいる。
ニット

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すべてTRICOTÉCANVASニット靴下機械より先に人を見る TRICOTÉが日本の工場と作る理由 ニットの工場を見るとき、僕は機械だけを見ているわけではない。むしろ、その機械と人がどう付き合っているかを見る。今、一緒に仕事をしている国内の工場には、古い機械を現役で使い続けているところが多い。僕は、そういう機械を長く維持している人には、腕のいい職人が多いと感じている。 古い機械は、置い...

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