わたしとトリコテ vol.8
いつもの暮らしに彩りとアクセントをプラスする「トリコテ」は、暮らしの中でどのような佇まいを見せるのでしょう?「トリコテ」のアイテムをセレクトしていただき、もの選びのルールを伺う「わたしとトリコテ」。8回目のゲストは、Srawディレクターの柳亜矢子さんです。
光が差し込む真っ白な空間に、オブジェやアート作品、植物などが飾られた、まるで海外のギャラリーのような雰囲気を持つ代官山のサロン「Sraw(スロウ)」。ディレクターの柳さん自身が、インテリアをセレクトしているのだそう。
「いつか自分のお店を作りたいと思ったときから、できるだけ美容室っぽくない雰囲気のお店を想像して、少しずつものを集めました。白はお客様が一番きれいに見えるので、植物などを置いて、明るくて気持ちのいい空間にしたくて。海外のショップのように、ものがあちこちに置かれているとリラックスできるし、お気に入りのオブジェからはインスピレーションをかき立てられます」
インスタグラムでは、「#服が似合う髪」というハッシュタグで発信している柳さん。ミニマムでシンプルなヘアスタイルを多く手がけています。
「服が好きなお客様が多いので、髪型だけで完結するのではなく、服とトータルでバランスよくなるようにしたいと思っています。再現性の高さや時間をかけずにセットできることも大切にしつつ、好きな服が似合う髪型になるといいですね。服がよりよく見えたり、髪を切ったらさらにおしゃれが楽しめるようになる髪型を心がけています」
服が好きで、普段の装いもおしゃれな柳さんに、BORDER KNITのタンクトップとスカートをセットアップで着てもらいました。土に還るポリエステル素材を使用。ボーダーの柄の隙間に透明な糸を入れているので、透け感が夏らしく涼しげな印象です。
「まっすぐなシルエットがとてもきれいですね。普段はスカートをあまり履かないのですが、丈感がちょうどいいです。ニットが好きなのですが、カットした髪の毛が服に入り込んでチクチクするので普段はなかなか着られないんです。でもニットのボトムは楽なので、お休みの日に楽しみたいですね」
足元には透け感と履き心地にも清涼感のある、SHEER TABI SOCKSを合わせて。
「靴下が好きで、ブルーが好きなのですが、この透けた色合いがとてもきれいだと思って選びました。jenonailさんと作った、オリジナルのネイルカラーもブルー。美容師は手を洗うことが多いので、手がいつも赤みがあるせいか、ネイルや靴下はブルーを選んでしまいます」
もうひとつのコーディネートの主役は、モノトーンの丸、三角、四角の幾何学模様が印象的なスカート。1年中使える、再生ポリエステルを使ったエコ素材で、後ろの中心にはスリットが入っていて動きやすいデザインです。
「無地の服が多いので、柄物のアイテムをもっとスタイリングに取り入れたいと思いました。トリコテの服にはアートを感じるので、ボブやショートなどのミニマムなヘアにすると、柄やパターンが映えると思います。逆にメイクは色で遊んで、ネイルも明るい色にすると合うのでは。普通になりすぎない方がバランスが取れると思います」
原点に立ち戻り、最初に働いた思い出深い街、代官山でサロンをオープンして3年目。柳さんの目標は、ずっと変わらない仕事をしていくことだといいます。
「サロンワークでは変化をしていくより、今の延長線上で変わらない仕事をすることが大切だと思っています。あとはものづくりが好きなので、今後も自分の頭の中に思い描いているものを形にしていけたら。趣味が高じて、ネイルカラーやオイル、バームをプロデュースをさせてもらいましたが、髪の毛が入ってこない、楽ちんでかわいいシューズなど、いつか作れたら嬉しいですね」
柳亜矢子
都内一店舗を経て2006年broocH立ち上げに参加。2022年7月に「Sraw」をオープン。サロンワークだけでなく、美容アイテムの商品開発にも携わる。
https://www.instagram.com/ayakoyanagi/
https://www.instagram.com/sraw_salon
Photo & Design : Nozomi Nishi
Text & Edit : Mayumi Akagi