Article: わたしとトリコテ vol.11
わたしとトリコテ vol.11

いつもの暮らしに彩りとアクセントをプラスする「トリコテ」は、暮らしの中でどのような佇まいを見せるのでしょう? 「トリコテ」のアイテムをセレクトしていただき、もの選びのルールを伺う「わたしとトリコテ」。11回目のゲストはフリーランスでブランディングやPRを手がける金祥艾(キム サンエ)さんです。
今年初開催する「アルター」など大きなデザインイベントから、和洋菓子店「小楽園」のようなお店まで、ブランディングやPR、プロジェクトマネージメントを幅広く手がけている金さん。パートナーと暮らす一軒家には、洗練されたアートやオブジェが並んでいます。
「リビングにしている部屋は増築されたようで、ちょっとおもしろい間取り。木の棚やライトは、もともとついていたもので、並べているのは仕事で関わったり、お付き合いのあるアーティストやイラストレーターさんの作品ばかりなんです」
ソファーやクッション、飾られたレコードジャケットなどに入った、ピンク色がポイントになったインテリア。金さんのやわらかな雰囲気によく合っています。
「昔はモノトーンやベーシックが好きでしたが、最近は色を取り入れたい気分。ファッションにもインテリアにもずっと興味はありましたが、知識はないので自己流なんです。家にいる時間が長いので、好きなものが目に入るようにしています」
そんな金さんに履いてもらったのは、編み目模様をモチーフにした、凸凹感が特徴のバンピーソックス。ユニセックスで、女性が履くと立体感を感じられ、男性が履くとよく伸びる裏糸を使用しているため、フラットな生地感を楽しむことができます。
「トリコテは編み地が特徴的で、他にはない柄がかわいい。私は足が少し大きいので、ユニセックスのサイズ感がうれしい。履き心地もすごくいいです」
ベージュとピンクの組み合わせが好きだという金さんは、古着屋さんで購入した『MM6 Maison Margiela』のピンクのスカートを合わせて。
「ずっと家で仕事をしているので、最近はスウェットなど、楽に過ごせる格好が増えました。古着が好きで、選ぶときはサイズ感や形が大切。きれい目から、ジャンクなものばかり置いている古着屋さんまで、見かけるとチェックしています」
また、アクセサリーはシルバーが多いという金さんが選んだのは、シルバーのマクラメ編みのショルダーバッグ。職人が一点一点編んだバッグのストラップは、取り外し可能。中のポーチも取り出しができ、さまざまな使い方を楽しめます。
「お出かけのときにちょうどいいサイズ。カジュアルにも、ちょっとおしゃれしたいときにも、上品にも使えそう。レセプションのときは黒い服が多いので、キラッとシルバーがアクセントになっていいですね。中のポーチも、別のバッグにそのまま使えるのも便利そう。
アクセサリーは繊細なものより、ちょっとゴツゴツしているものが好き。『ティファニー』のものを多く持っていますが、ヴィンテージショップやオールドティファニーを集めたポップアップショップなどをのぞいて、少しつづ集めています」
最近は、バンブーファイバープレートを中心としたテーブルウェアのブランド『MARINA & MITSUKO(マリナとミツコ)』の活動も、忙しくなってきているそう。
「2人の架空の女の子の好きなものをイメージして、マリナはアメリカンポップで遊びがある、というデザイン。ミツコはヨーロッパの影響を受けたアジアというデザインに。人が集まる場から使い捨てをなくしたいのがコンセプトで、バンブーを利用したサステナブルな素材を使っていますが、まずは感覚的に" かわいい!"と思って手に取ってもらって、それがたまたまバンブーファイバープレートで、使うことが環境に優しいアクションにつながる、という自然な流れがつくれたらいいな、と思っています 」
ペットボトルにカバーするだけで花瓶になる「WAVE VASE COVER」は、リサイクルレザーに大柄のプリントをしたウェーブのデザインが特徴。金さんのインテリアにもよく馴染みます。
「昔担当していたフランスのアーティスト、ツェツェの2人が、バカンスに行くときに必ず花瓶を持っていって、現地で摘んだ花を活けると言っていて、素敵だなと思ったんです。旅先に持っていくのも良いかも。これからも肩肘を張らない、自分の好きという気持ちを大切にしていきたいですね」
金 祥艾( キム サンエ )
PRディレクター、プロジェクトマネージャー。ファッションブランドのPR、インテリアの合同展示会やデザインイベントの企画運営を経て、2018年にフリーランスとして独立。現在はライフスタイル、デザイン、ファッションの領域で、ブランドやプロジェクトの魅力を伝える活動を幅広く行う。また2024年に、友人と共にサステブルなテーブルウェアブランド「MARINA & MITSUKO(マリナとミツコ)」を立ち上げ、オンラインストアを中心に全国のポップアップショップなどで販売している。
MARINA & MITSUKO https://marina-mitsuko.com/
Photo & Design : Nozomi Nishi
Text & Edit : Mayumi Akagi
わたしとトリコテ vol.11